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今月のコラム

消費税軽減税率の区分経理について

投稿日:2014年06月30日カテゴリー:税務・会計

軽減税率導入の区分経理は「インボイス方式」が有力

<消費税>
自民・公明の与党税制協議会は先日、軽減税率の対象分野について8種類のパターンを提示するなど、軽減税率制度の素案を公表したが、課税事業者にとって懸念されるのは、軽減税率を導入すれば、標準税率と軽減税率を分けて、正確な消費税を算出する必要が出てくることだ。同協議会は、新たに発生する区分経理事務については4案を併記したが、負担増が避けられないだけに、どの方式が採用されるのか注目される。

素案では、(A案)区分経理に対応した請求書等保存方式、(B案)A案に売手の請求書交付義務等を追加した方式、(C案)事業者番号及び請求書番号を付さない税額別記請求書方式、(D案)EU型インボイス方式、の4案を併記した。(A案)と(B案)は既存の請求書等保存方式を活用する簡易方式で、(C案)と(D案)は商品ごとに税額を記入するインボイス(税額票)を使う方式だ。

付加価値税(消費税)を導入しているEUを始めとする大部分の国では、EU型インボイス方式が採用されている。現行の請求書等保存方式においては、税率が上がるにつれ、いわゆる益税が増加するおそれがあるのに対し、納税額の計算等は請求書等の税額を用いて行うEU型インボイス方式では、「消費者が負担した消費税が納税義務者たる事業者を通じて適正に納税される」と評価されており、有力視されている。

ただし、インボイス方式では、事業者間取引を行っている免税事業者は、課税選択をしなければ、追加の事務負担は発生しないかわりに、取引を避けられる可能性がある。他方、納税額の計算等は帳簿に基づき行う(A案)、(B案)は、このような免税事業者に係る問題はないものの、税率引上げや複数税率制度によりいわゆる益税が拡大する可能性は高く、免税事業者にも追加事務負担が発生する。

同協議会では、「これらの点を踏まえ、関係業界も含め、国民的な議論を期待する」としている。
今後、年末にまとめる与党税制改正大綱に向け、事業者の事務負担増となることを始め、適正な請求書等が発行されることへの担保、免税事業者への影響といった諸々の課題について、軽減税率制度の詳細を検討していく中で、区分経理のための仕組みが、どのような結論となるのか注目される。


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